風城峠の回顧録

ゲームや本、地学のことなど

ゲームレビュー㊾ ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(後編)

前編はこちら

 

shikakuyama.hatenablog.com

 

 前回はゲームの大まかな流れを説明した。しかし、このゲームはやり込み要素が山ほどあるので、それだけだとどうしても説明が足りない。ということで、今回はやり込み要素についていくつか取り上げようと思う。大学の講義風に言うと、前回はゼルダbotw概論だったが、今回は詳論である(とは言ってもそこまで詳しく説明するつもりもないが。内容が足りねぇなと思ったら別サイトを参考にして欲しい)。

 

 さて、前回メインミッションをほぼクリアしてゲームを堅実に進めても、ストーリークリアまでは50時間程度で終わると書いた。しかし、自分は現在このゲームを100時間以上プレイしてるし、何ならそれは少ない方で、何百時間もプレイしている人なんかザラにいる。最近ゲームのやり込みは面倒だなーと思い始めた僕でも、50時間ほどやり込みに費やしている。それほどやり込みの主張が強いというか、その量に圧倒されるというか、何もやり込みをしないのは違うなと思わせてくるのだ。では早速やり込み要素について説明していこう。

 

 

試練の祠

 前編でも説明したが、試練の祠が全部で120個もある。そのまま入れるものもあれば、「ほこらチャレンジ」をクリアしないと地上に現れないものもある。その中は、謎解きダンジョンとなっているもの、敵(ガーディアン)と戦うもの、そのままゴールのものがある(ただし、入ったらすぐゴールのものは、ほこらチャレンジの後に出てきた祠がほとんど)。自力で見つけていくのはなかなか大変だが、少しゲームを進めると手に入るシーカーセンサーは、未発見の祠に近づくと音で知らせてくれるため、祠探しのヒントになる。ただし、それがあってもなかなか見つからないことが多い(地中に隠れているのも含んでいるため)。

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新しく見つけた祠は赤く光る

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クリアした祠は全体が青く光る


 

 ほこらチャレンジはフィールドにいる人に話し掛けることで追加されることが多い。祠の中には、武器の入っている宝箱もあるため、そういうのを手に入れるために入るのもありだ。

 また、巨大な古代遺跡の迷路を祠目指して進んでいくというチャレンジもあり、非常にバラエティに富んでいる。

 ちなみに、自分はこれまで90個の祠をクリアした。ほこらチャレンジは、42個中21個までクリア済み。

 

 

ウツシエの記憶

 一応メインチャレンジとなっているが、別にクリア必須なものではない。これをクリアしたから能力が上がるというものでもない。だから実質やり込み要素みたいなものだ。

 渡された写真に写る風景を頼りにそれが撮影された場所に行くと、ゼルダとの思い出が蘇るというものである。写真は全部で12枚+1枚。ヒントなしでは、世界の風景をかなり把握していないとその場所に辿り着くのは難しい。一応ヒントをくれる人物はいるが、そいつも出現する場所がコロコロ変わるので、その人に会うのも大変。ただ、何だかんだ10枚ほどは攻略サイトに頼らず自力でクリアできた。山並みや城の写っている角度等に注目して写真の場所に辿り着こう。

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渡される写真の例

 

 

ミニチャレンジ

 ストーリークリアに関係ないチャレンジが通常状態でも77個もある。これも世界にいる人に話し掛けると出来るようになることが多い。楽なチャレンジもあれば、攻略法を見ないとなかなか厳しいものもある。自分は現時点で42個クリアした。

 

 

コログ探し

 世界にはコログがなんと900体も隠れている。これはマジでアホ。そんなの全部探せるかー!自分は127体見つけたところで止まっている。

 コログは石を持ち上げたり、規則正しく石などを置いたり、的を弓矢で射ったり、時間内に空中に出現する輪の中を駆け抜けたり、走りまくっているコログに触れたりと、様々な方法で出現する。山の山頂にはコログがいることが多いので、取りあえずそいつらから見つけていくと良いだろう。

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石が輪のように並んでいる。輪の途切れたところに近くにあった石を置くと・・・

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コログ出現!

 


 

ハイラル図鑑

 世界中に置いてある武器や道具、モンスターや植物、動物などを撮影していくと、それがハイラル図鑑に登録され、その情報を見ることが出来る。ちゃんと近づいてピントを合わせて撮影しないと図鑑に登録されない。特に小さくて近づくとすぐ逃げる鳥や虫などは撮影難度が高い。ちなみにハテノ研究所に行けば図鑑の情報を買うことが出来る。カースガノンなど撮り逃したモンスターはそこで情報を買うと良いだろう。ちなみに自分はストーリーの中盤くらいまでこのシステムに気付かなかったので、結構撮り逃した敵や武器がある。

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武器を撮影。まだ撮影していない武器では橙色の枠が表示される(撮影済みのものは青色)

 

 

マスターソードとコログの森

 ハイラル城内で威力が上がるマスターソードは、迷いの森を抜けると手に入る。迷いの森は適当に進むと霧が濃くなっていって始めの地点に戻されてしまうが、ある道具を適切に用いることによって奥に進めるようになる。そこを抜ければコログの森だ。そこではマスターソードを手に入れたり、コログしれんで遊ぶことが出来る。

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迷いの森

 

 他にもやり込み要素はたくさんあるが、キリがないのでこれぐらいでやめておく。主要なやり込み要素は一通り紹介し終えたはずだ。またプレイを再開し出したら、気分次第で追記をするかもしれない。というわけで今回は以上である。本当に素晴らしいゲームなので、気になったら是非プレイしてみて欲しい。

 

(完)

 

〈リンク〉

 

任天堂公式サイト

www.nintendo.co.jp

 

・ゲームカタログ@Wiki~名作からクソゲーまで~

w.atwiki.jp

 

 ・Amazon

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

  • 発売日: 2017/03/03
  • メディア: Video Game
 

 

 

 

ゲームレビュー㊽ ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド(前編)

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド

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・発売日:2017年3月3日

・発売元:任天堂

CERO:B(12歳以上対象)

・自分のプレイ時期:2020年2月下旬~5月上旬

・難易度評価:3

(1、簡単    2、普通   3、やや難しい   4、難しい   5、非常に難しい)

 

 

 

 ゲームレビューの新作を書くのは約3ヶ月振りとなる(7~8月のロックマンの記事はただの再利用)。それにしても47回も今まで良く書いたものだ。自分でも感心してしまう。感心出来るような内容は書いていないかもしれないけれど。

 あとブログを開設してから1年が経過した。ここ3ヶ月なんかは明らかにサボっているので、継続的に続けているとは言い難いけれど、それでも60ほどの記事を書けたのはよくやったと思う。これからもネタが尽きるまでマイペースに続けていきたい。

 

 さて、今回からついにNintendo Switchでプレイしたゲームの紹介となる。2020年の2月20日頃、僕はSwitch Liteを購入した。当初は普通のSwitchを買ってテレビに繋いでやろうと思っていたのだが、この時既に普通のSwitchは品薄状態になっていたので、Switch Liteを購入したのである。結局任天堂の携帯機専門の人間であることに変わりはなくなった。まぁ、自分のゲームのプレイスタイルから考えると、Switch Liteで良かったかなと思う。いちいちテレビに繋ぐのは面倒だしね。Liteでもわりと画面が大きかったので満足。あと、僕は2Dアクションをよくやるので、十字キーがついているのは非常に評価できる(普通のSwitchを買ったらスーファミコントローラーでも買おうかなと思っていた。結局その必要がなくなったのでありがたい)。

 

 そんな僕がSwitchでやるゲームとして一番最初に選んだのが「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」である。ゼルダの伝説シリーズをプレイするのは「4つの剣 25周年記念エディション」「夢をみる島DX」「神々のトライフォース2」に続いてこれで4つ目。そして3Dゼルダは今回が初めてである。

 

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shikakuyama.hatenablog.com

 

 僕は 、これをやるためにSwitchを買ったと言っても過言ではない。僕はずっと携帯機専門の人間だったので(実質今もだけど)、オープンワールドのゲームに非常に憧れがあった。3DSオープンワールドのゲームを作るのはスペック的になかなか厳しい。「レゴシティ アンダーカバー チェイスビギンズ」のように疑似オープンワールドのゲームはあるが、やっぱり何か違う。グラセフのように画面に映るところどこでも行きたいのである。

 

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 だから、このゲームをプレイした当初は非常に感動したのは言うまでもない(何年遅れの感動だよって言われそうだが)。どこにでも行ける。崖も登れるし、パラセールを入手すれば空も飛べる。地形を自由自在に駆け回れる、こういうゲームを僕は求めてた!(何しろ据え置き機がなかったから!強いて言えば真面目にやったのはマイクラくらい!)

 

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 ただし、本当に最初からどこでも行けるというわけではない。ミッションをクリアしてパラセールを入手しないと始まりの台地から外には出られないし、他にもそれ相応の準備をしないと行けない(行けたとしてもそのうち死ぬ。暑いところや寒いところなど)場所がある。そこまで甘い世界ではないのだ。雨が降ると滑って非常に崖が登りづらくなるし。それに雷が加わって自分に直撃したら大ダメージ必至。環境に応じて適宜服装を変える必要がある。そして体力等が減少したら手に入れた食材等で回復。まさにサバイバルだ。

 

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空を飛んでどこへでも

 基本的なゲームの流れは、マップ上に散在している「試練の祠」に寄って体力やスタミナを上げながら、与えられたミッションをクリアしていくといった感じ。とはいってもこのゲームは自由度が高いので、強者は最序盤以外は祠に寄らずにそのままラスボス戦に挑むことも出来るが、僕はヌルゲーマーなので堅実に体力とスタミナを上げて、順番にミッションをクリアしていく。

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初めて見つけた祠は赤く光っている

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クリア済みの祠は全体が青く光る

 さて、この祠だが、中にはちょっとした謎解きダンジョンがあったり、敵(ガーディアン)がいたりする。このダンジョンはそれほど長くはないけれど、結構頭を使うものが混ざっている。最初の頃、コツを掴むまでは1つの祠に20分以上かかることもしばしば。慣れてくるとテンポ良くクリアできるようになる。また、祠にいるガーディアンの強さには何段階かあるが、強いものは序盤では余程上手い人ではない限り歯が立たないはずだ。無理だと思ったら大人しく後回しにしよう。

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祠の中の例

 

  祠は分かりづらい場所にあることが多く、祠自体を見つけることがミッションになっている場合もある。これを「ほこらチャレンジ」という。ヒントを頼りに適切な行動をして、地面に埋もれている祠を出したり、既に見えている祠にどうにかして辿り着いたりと、その内容は様々。特に、周囲の花を踏まないように祠に辿り着けという内容のチャレンジがあるが、そこにいる花を踏まれるとキレるババアには強烈なものがある。

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お花摘むのが好きだった 今じゃどいつもこいつも所有権♪(元ネタ知らん人はググれ)

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いや、摘んだら殺されるかも・・・

 

そして祠の挑戦を見事かいくぐると、その奥で「克服の証」がもらえる。この克服の証は、4つで体力ゲージが増える「ハートの器」か、いわばスタミナであるがんばりゲージを増やす「がんばりの器」1つに交換出来る。つまり、最低でも4つの祠の挑戦をクリアしないと体力やスタミナが増えない。体力やがんばりゲージが少ない序盤は厳しい戦いを強いられるが、祠を巡ってそれらを増やすことで徐々に冒険が快適になってゆく。なお、試練の祠は全部で120箇所もある。後述するが、このゲームはやり込み要素の数の桁が違う。

 

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ここで「克服の証」がもらえる

  始まりの台地から外に出て、ストーリーをしばらく進めていくと、4つの村に行って、そこの神獣の中にいるカースガノンを倒せという命令が出る。この4つの村に向かう道中でこの世界の広大さが良く分かるはずだ。初期段階では世界の地図がほぼ空白となっているので(各地域ごとにある塔に上ればその地域の地図をゲットできるが、中には上まで上るのに一筋縄ではいかない塔もある。そこも頭の使いどころ)、印を頼りに道なき道を突っ走ることになる。途中、狙いを定めた後に射撃をしてくるガーディアンに襲われて死ぬこともしばしば。コイツは倒せる武器をろくに持っていない序盤ではかなりの強敵となる。うまく物陰に隠れてやり過ごすしかない。

 

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序盤最大の敵、ガーディアン


 神獣は水、風、炎、雷の4種類がいる。それぞれそれらがいる近くの町でミッションをこなした後、中に入って謎を解きながらダンジョンを進み、最後にカースガノンと戦うことになる。神獣に辿り着くまでも大変だし、辿り着いた後も大変。神獣はどの順番で攻略しても良い。自分は水→雷→炎→風の順番で攻略した。ただし、4体のうち雷のカースガノンが一番強いので、これはわりと玄人向けの順番なのかもしれない。では何故雷を2番目に選んだかというと、炎の神獣がいるゴロンシティに行こうとしたら、周囲の高温により体が燃え始めてみるみるうちに体力が削られていってしまったのだ。だから、ここは後回しなのかなと思い、2番目に近い雷の神獣がいるゲルドの街へと向かった。ただしここもあることをしないと中に入れない。このように、いくつものステップを踏みながら各街でシナリオを進めていくのである。例えば、ゲルドの街では雷の神獣に向かう前にイーガ団のアジトに向かう必要がある。ここでの団員に見つからないようにしながらアジトを進むミッションが、長くてなかなかしんどかった・・・。見つかると襲われて死亡&最初に戻されるし。

 

 いくつかのミッションをこなしてようやく神獣の中に入る。神獣の中に6つほど点在している制御装置を全部見つけて動かさないと、そこのボスであるカースガノンとは戦えないのだが、この神獣の構造がなかなか複雑。神獣全体を動かすような大がかりな仕掛け「神獣操作」を適切に使いながら神獣の隅々まで行くのであるが、これにはかなり空間把握能力が試される。ゲーム中での謎解きが苦手な僕は、制御装置が見えているのにそのままではたどり着けない・・・、どうやったらあそこまでたどり着けるの?→神獣操作をする→う~ん、やっぱり分からん・・・、って状態に陥りがち。あと2個、残り2個の制御装置にどうしてもたどり着けない!ということで攻略サイトを参考にすることもしばしば(自分の過去のツイートを見た感じだと、水、雷の神獣は、己の知力だけで内部攻略をすることができなかったようです・・・)。ここの部分は本当にガッツリ謎解きなので、そういうのが苦手な人はかなりしんどい。言葉だけだと伝えきれないので実際にやってみて欲しい。

 

 神獣の内部を攻略した後、ようやくボス、カースガノンと戦える。先述したとおり、雷のカースガノンが一番強い。次に炎、水の順で、僕が一番最後に回した風のカースガノンが一番弱い(だからコイツと戦ったとき拍子抜けした)。3Dアクションが苦手な僕が、よくまだ能力が不十分な神獣攻略2番目の段階で雷のカースガノンを倒すことが出来たと思う。もちろんかなり苦戦したけどね。倒すのに1時間くらいはかかった記憶が・・・。弓矢を使うの苦手だなあ・・・。

 カースガノンを倒すと、英傑にまつわる能力がもらえ、攻略の幅が広がる。だからある程度能力が揃った状態で雷のカースガノンと戦うのが勧められるのだけど、僕はそれをしなかった。とにかく、雷のカースガノンがラスボスまででは最大の山場かもです。

 

 4体のカースガノンを撃破したら準備は整った。ついにハイラル城で厄災ガノンと対決だ。このハイラル城もかなり広く、謎解き要素はあまりないが、外側からガノンがいる本丸に向けて攻めるとガーディアンたちが容赦なく自分に向けて撃ってくる。だから城の内部から本丸に向かうのが良いだろう。城の内部はかなり複雑な構造だけれど、探索をして良いルートを見つけるのもこのゲームの醍醐味である。本丸に着いたらいよいよガノンとの最終決戦だ。

 

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ハイラル城を望む

 今までこのゲームの大まかな流れについて書いてきた。このゲームはやり込み要素が莫大な量あり、それを極めようとするとプレイ時間が何百時間にもなるが、単にメインストーリーをクリアするだけなら、堅実に進めても50時間ほどで終わるはずだ。ただし、それだけではこのゲームを存分に味わったとは言えない。これ以上書くと長くなるので今回は一旦ここで終わりにして、次回はやり込み要素についていくつか書いていく。お楽しみに。

 

 

 

〈リンク〉

 

任天堂公式サイト

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ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

  • 発売日: 2017/03/03
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~後編に続く~

2020年上半期に読んだ本+5選(前回の10選の続き)

10選についてはこちらから

 

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 せっかくなので、今年の上半期に読んだ本についてもう少し紹介したいと思う。前回書いた10選には選んでいないので、年末に作成予定の「今年読んだ本TOP10」には入らないことが確定してしまったが、紹介しないままにしておくのには勿体ない個性的な小説ばかりである。あくまで個人的に順位をつけていったら上半期TOP10には入らなかっただけのことであり、決して前回紹介したものより内容が劣っているというわけではないことを頭に入れておいて欲しい。何故なら前回でも今回でも紹介していない作品の中には、日本文学の歴史において価値の高い作品が複数含まれているのだから。ここでは権威など関係なく、個人の好みを最優先して紹介していく。

 

 

ダンス・ダンス・ダンス

村上春樹・著 1988年

・読んだ期間 (上巻)2020年3月22日~3月24日、(下巻)2020年3月25日~3月27日

 

 村上春樹の小説は凄いというので、中2の終わり頃に短編集「レキシントンの幽霊」を読んでみたら非常に感銘を受け、そこから中3~高1までは結構村上作品を読みあさっていた。しかし「1Q84」と「ノルウェイの森」に嫌気が差し、そこからはアンチ村上寄りになっていった。そんな僕が3年ぶりに新しく手をつけた村上作品がこの小説である。

 

 これは僕が好きなタイプの村上作品だった。「いるかホテル」にあった暗闇の広がる謎の空間・・・。こういう不思議な世界が突然広がるのが村上作品の面白いところ。また主人公の絶妙なひねくれ具合が結構好き。「ティーン・エイジャーから小銭を巻き上げるためのゴミのような大量消費音楽」(笑)。ただ途中からやたら人が死んだり消えたりするのでなんとも言えない喪失感に襲われる。あと後半のハワイ旅行が地味に長い。このせいで10選には選ばれなかった感がある。

 まあ、村上春樹の小説では比較的読みやすい方だと思う。というか特に有名な「ノルウェイの森」と「1Q84」は結構初心者殺しだと思うんだよなあ・・・。村上作品を読むなら、まずは「レキシントンの幽霊」をオススメするよ。

 

 

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

  • 作者:村上 春樹
  • 発売日: 2004/10/15
  • メディア: 文庫
 

 

 

「虚無への供物」

中井英夫・著 1964年

・読んだ期間 2020年3月27日~3月31日

 

 日本三大奇書の1つ。ちなみに他の三大奇書である「ドグラ・マグラ」は2016年12月に(2018年12月に再読)、「黒死館殺人事件」はこれを読んだ直後の2020年4月に読了済み。日本三大奇書についてもいつかブログで書いてみたいなと思う。

 

 一族の人々が次々と事故で亡くなっていった呪われた(?)一族、氷沼家が舞台。その氷沼家で殺人事件が起こるんじゃないかと予想するが、実際にその後一族の者や深い関係のある者が次々に不可解な死を遂げてしまう・・・。

 

 奇書とは言っても、他の2作ほど狂気に満ちた作品ではない。普通に推理小説である。しかし、今後どのような事件が起こるのか予想するという展開が斬新。中にはそのためにわざわざ小説を書いてくる人物も。事件後は周辺人物みんなで犯人を推理するのだが、その推理には非現実的なことも出てくる始末で、犯人候補も二転三転。やれやれって感じ。

 最後、「犯人は読者」みたいな発言が飛び出す。つまり事件を傍観しながらああだこうだ言い合うのは良くないということか。あなたたち、思い切りブーメランだと思うのですが・・・。ちなみにちゃんと犯人はいるのでご安心を。こういうところがアンチ

ミステリと言われる所以か?

 

 

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

新装版 虚無への供物(上) (講談社文庫)

  • 作者:中井 英夫
  • 発売日: 2004/04/15
  • メディア: 文庫
 

 

 

芙蓉の人

新田次郎・著 1971年

・読んだ期間 2020年5月9日~5月14日

 

 日本で初めて富士山の冬季登頂に成功した野中到の妻、千代子が、夫とともに富士山の冬季気象観測に挑む話。現代でも冬の富士山は物凄く過酷な場所なのに、まだあらゆるものが発達していない明治時代中期にそれをやったというのが凄い。それにしても、千代子はそれまでろくに山を登ったことがなかったのに、冬の富士山での生活に挑むとは、なんて根性だろうと思う(勿論富士山に挑む前にちゃんとトレーニングを積んでいた)。生死の境をさまようくらい過酷な環境で互いを支え合う夫婦の姿には心打たれるものがある。

 

 ちなみに新田次郎氏の小説には富士山を題材にしたものが多くあるが、それもそのはず、本人も富士山頂の気象レーダー建設に、それも重要な責任者として関わっているのである(その時の経験は「富士山頂」という小説に著わされている)。そんな彼には、富士山頂の気象観測の原点とも言える野中夫妻はどのように映っていたのだろうか。非常にロマンのある話である。

 

 

新装版 芙蓉の人 (文春文庫)

新装版 芙蓉の人 (文春文庫)

  • 作者:新田 次郎
  • 発売日: 2014/06/10
  • メディア: 文庫
 

 

 

「Another エピソードS」

綾辻行人・著 2013年

・読んだ期間 2020年5月19日~5月20日

 

 「Another」の続編、というよりも本編を読んだ人に対してのオマケって感じ。なお、この作品では本編のネタバレが普通にされているので、本編を読んでない人は決して読まないように!(そういうのを気にしないのならば別にいいけれど・・・)

 昨年読んだ「Another」の感想についてはこちらから。

shikakuyama.hatenablog.com

 

 「Another」のヒロインである見崎鳴が、別荘で幽霊になった男、賢木と、彼の死体探しをするという話。物語の半分以上はこの賢木によって語られるので、実質彼がこの話の主人公。今作も綾辻トリック全開で、終盤に衝撃の真実が明かされるのだが、それは読んだ人だけのお楽しみということで。

 最後はさらなる続編「Another 2001」につながりそうな意味深な終わり方をしていた。ちなみにこれはもうじき刊行されます。この続編も非常に楽しみなのだけど、僕は単行本は買わずに文庫化を待つタイプの人間なので、読むのは一体いつになるのだろうか・・・という感じ。文庫化されるのは3年後くらいかなあ・・・。

 

 ここからは余談。今年の4月初めに「Another」のアニメ版を観た。基本的には原作準拠だが、終盤の展開は結末は同じとはいえ結構アニメオリジナルな展開となっていた(8話以降からそんな感じ)。この終盤が原作小説以上に凄惨で救いのない展開になっており、個人的にはちょっとやりすぎでは?と思ってしまった。だから僕はアニメ版より原作小説の方が好きかな・・・。

 

Another エピソードS (角川文庫)

Another エピソードS (角川文庫)

  • 作者:綾辻 行人
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: 文庫
 

 

 

悪魔の手毬唄

横溝正史・著 1959年(連載終了年)

・読んだ期間 2020年5月24日~5月28日

 

 お馴染み金田一耕助シリーズの1つ。これが横溝作品の最高傑作という人もいるほど。個人的には「八つ墓村」や「犬神家の一族」や「本陣殺人事件」のほうが好きなのだが、代表作の1つであり紹介しないのもあれなのでこの場を借りて紹介しておく。

 

 鬼首村の名家の娘がここに古くから伝わる手毬唄の内容に沿って殺される・・・というストーリー。面白い作品であるのには間違いないのだが、10選からは外れてしまったのは、今まで読んだ横溝作品と比べると登場人物が多く、さらに人間関係も複雑であったので、話を理解するのになかなか苦労したからである。こういう小説は2周目で大きく印象が変わったりするので、いつかまた読もうと思う。例により終盤は衝撃展開となっているので、頑張って最後まで読んで欲しい。

 

 本当にどうでもいい話だが、漢字は違うし人物像も全然違うものの、登場人物がリカとかサトコとかでひぐらしかよと思ってしまった。まさかこの小説から名前を引用・・・?なんてね。個人的には竜騎士07氏がどれくらい横溝作品を読んでいるのか気になるところである。

 

悪魔の手毬唄 (角川文庫)

悪魔の手毬唄 (角川文庫)

  • 作者:横溝 正史
  • 発売日: 1971/07/14
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 今回の内容は以上。「何で10選の時点で選ばなかったんだよ」と言われそうなラインナップだが許して欲しい。むしろ今回は10選の記事より書いていて楽しかった気がする。また読んだ本についての感想をブログに書こうかなと思っているので、お楽しみに。

 

 

 

2020年上半期に読んだ本10選

 上半期・・・が終わってからもう2ヶ月経とうとしている。だからこの記事は「今さら!?」て感じだ。本当は7月に書きたかったのだが、自分は大学生の身、課題やテスト、バイトに追われ、なかなか書く暇が無かった。夏休みに入ってからも、帰省したり遊びに行ったりしていたらどんどん時間が過ぎ、結果として8月の終わりに書くことになってしまった。

 

 昨年末、「個人的BOOKランキング2019」という記事を書いた。タイトル通り、2019年に読んだ本から10冊を厳選してランキングを作るといった内容だ。今年も年末にその記事は書くつもりである。しかし、今年は新型コロナウイルスのせいで春頃は自由な時間が増え、そのため本を読む時間も例年より増えた。つまり、今年は去年よりも多くの本を読んでいる。だから年末に10冊を選んでランキングにするだけでは、どうも紹介し足りない気がするのだ。

 

shikakuyama.hatenablog.com

shikakuyama.hatenablog.com

 

 

 というわけで、これから2020年の上半期に読んだ本から個人的に面白かった10冊を厳選して紹介していく。権威とか世間の評価とは関係なしに、あくまでも自分の好みのみを元にして選んだものである。全26作品の中から選出。なお、今回は順位をつけず、単に読んだ順に紹介していく。順位に関しては年末に作成する予定のランキングを楽しみに待っていて欲しい。また、「個人的BOOKランキング2019」ほど細かくは解説しない。できる限り簡潔に紹介していく。

 

 

 では、さっそく開始!

 

 

復活の日

小松左京・著 1964年

・読んだ期間 2020年1月7日~1月15日

・角川文庫

 

 ウイルスによって人類がほぼ滅亡してしまうという内容のSF小説。ウイルスと言えば、今年は新型コロナウイルスが世界に大混乱を巻き起こしているが、この小説を自分が読んだのはまだ日本にコロナの脅威が訪れていなかった1月上旬~中旬。まさか、この本を読んだ後に似たようなことが起こってしまうなんて思いもしなかった。今思えばあの頃はまだ平和だったな・・・。

 

 日常がじわじわと崩されていく様子が本当に恐ろしい。そして「日本沈没」でも感じたが、小松左京さんの脳内シミュレーション能力はとにかく凄い。55年以上前の小説なので、今の科学からすると古いなと感じることも多いが(これは仕方ない)、小松さんは様々な情報を噛み砕いて自分のものにする能力に非常に長けていると思う。それはもう感動するくらいに。彼によって生み出された世界には、実際に今回のコロナ禍でも見られたような事例がいくつも含まれている。とにかく、今だからこそ読んでおきたい小説だ。

 

 

復活の日 (角川文庫)

復活の日 (角川文庫)

 

 

 

「本陣殺人事件」

横溝正史・著 1946年

・読んだ期間 2020年2月1日~2月7日

・角川文庫

 

 記念すべき金田一耕助シリーズの第1作目。表題作の長さは約200ページ程と、かの有名な「八つ墓村」や「犬神家の一族」と比較するとやや小粒だが、それらに負けず劣らずの面白さである。ネタバレになるので言えないが、トリックも結末もインパクト絶大。古き良き国産ミステリーの大傑作だ。

 

 自分が読んだ角川文庫版には「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」も同時収録されている。どちらも独特な味わいを残す作品でオススメ。車井戸~は面白いけれど後味が悪いかな。黒猫亭は終盤なかなか盛り上がる。

 

 

 

 

「少女地獄」

夢野久作・著 1936年

・読んだ期間 2020年2月16日~2月18日

・角川文庫、青空文庫

 

 日本三大奇書の1つ「ドグラ・マグラ」を書いた夢野久作のもう一つの代表作。3つの短編で構成されている。短いながら狂気具合は「ドグラ・マグラ」に決して負けてはいない。

 収録作品は、嘘をつきまくる女に翻弄される医師を描く「何んでも無い」、ある男に次々殺されていく女車掌の話である「殺人リレー」、悲惨な運命を辿った少女の復讐劇を描く「火星の女」の3つ。個人的には「火星の女」が一番衝撃的で恐ろしかった。内容に目をつむれば「ドグラ・マグラ」よりも相当読みやすいので、先にこちらを読んでみるのもありかもしれない。青空文庫で無料で読めるし。

 

 ちなみに、僕は「地獄少女」というアニメが好きなんだけど、それとこれとは全く関係がありません(笑)。まあドロドロとした世界観だけは似ているかもしれないけれど。「火星の女」の森栖校長は地獄に流されろって感じ。

 

 

少女地獄 (角川文庫)

少女地獄 (角川文庫)

  • 作者:夢野 久作
  • 発売日: 1976/11/29
  • メディア: 文庫
 

 

 

「とんび」

重松清・著 2008年

・読んだ期間 2020年3月5日

・角川文庫

 

 父親、ヤスさんと息子、アキラの親子の物語。重松さんの作品は小6の頃からずっと読み続けていて、かなりの数の作品を読んできたが、代表作と言える作品はこれにて全て読み終わったかな。

 

 序盤は平和な家族が描かれていただけに、「暗転」の章は怖くて仕方がなかった。またアキラが高校生になってからのヤスさんの言動や行動が衝撃的だったが、父親という者はいつの時代も時代錯誤なものだと思うと納得がいった。

 

 ちなみにこの頃Twitterで読書アカを作成した。だから、これ以降に出てくる小説は、Twitterにて一度紹介済みである。

 

とんび (角川文庫)

とんび (角川文庫)

 

 

 

十角館の殺人

綾辻行人・著 1987年

・読んだ期間 2020年3月15日~3月17日

講談社文庫

 

 ミステリーの名作として非常によく取り上げられる小説。ミステリー小説は好きだけれど基本的に同じ作者の作品ばかり読んできたので、僕はこの作品をそれまで読んだことがなかった。綾辻作品は昨年読んだ「Another」に続いてこれで2作目(「Another」は「個人的BOOKランキング2019」で紹介済み)。

 

 大学の推理研究会のメンバー7人がかつて殺人事件のあった角島の十角館で過ごし始めるが、そこで次々に殺人事件が発生・・・。それと並行して本土では以前の事件の調査が始められる・・・というストーリー。島と本土の様子が交互に語られて物語は進んでいく。「犯人は誰?」という話になるのだが、終盤はそんなのもどうでも良くなるくらい衝撃的な展開が待っていた・・・。作者の手にうまく転がされてみて欲しい。

 

 

 

「四度目の氷河期」

 ・荻原浩・著 2006年

・読んだ期間 2020年4月13日~4月17日

新潮文庫

 

 自分がクロマニヨン人の子供だと信じ込んだ少年の17歳11ヶ月までの人生を描く。石器を作ってみたりと、風変わりな日常が見ていて楽しい。ただ、結構暴力的なシーンもあり、ちょっと変わっているからこそ平穏な日常は訪れないのだろうか、その内容はなかなかハード。最後まで次々に予想外の展開が続く。果たして、彼の正体は一体何者なのだろうか・・・。

 

 ネットで検索するといくつか出てくる「荻原浩のおすすめ作品」というサイトにこの本がどれも出てこないのは何故?結構面白いですよ。

 

四度目の氷河期 (新潮文庫)

四度目の氷河期 (新潮文庫)

  • 作者:浩, 荻原
  • 発売日: 2009/09/29
  • メディア: 文庫
 

 

 

「噂」

荻原浩・著 2001年

・読んだ期間 2020年4月16日~4月19日

新潮文庫

 

 再び荻原浩作品。あるとき女子高生連続殺人事件が発生。その死体は足首を切り取られており、なんとそれはある香水のプロモーションのために意図的に作られた都市伝説の内容と一致しているという。真相を追う警察と疑われる人々・・・。一体レインマンとは何者なのか?その香水のせいなのか?というストーリー。

 

 文庫についていた帯に「えっ!と思わず声が出る衝撃のラスト1行」とあったが、実際に読んでいってそこまでたどり着いた時、即時には反応が出来なかった。少し経って「そういえば・・・」となってページを戻し、内容を確認して「やっぱそうか、うわーマジか・・・」となった。まさか最後にこんな残酷な仕掛けを用意してくるとは・・・。真相は自らの目で確かめるように!

 

噂(新潮文庫)

噂(新潮文庫)

 

 

 

「AX アックス」

伊坂幸太郎・著 2017年

・読んだ期間 2020年4月22日~4月24日

・角川文庫

 

 中1の時に僕をミステリ沼に突き落とした張本人、伊坂幸太郎さんの連作作品集。「グラスホッパー」「マリアビートル」に続く殺し屋シリーズの作品だが、過去作の登場人物について少し語られる程度なので、この作品単独で読んでも何の問題も無い。ただし他作品ネタを探すのも伊坂作品の醍醐味の1つなので、併せて読むことをおすすめしたい。

 

 殺し屋であり敵と戦う時は冷静沈着である主人公、兜であるが、妻やスズメバチには怖じ気づくというギャップが面白い。だからこそ格好良さが引き立つのかも。緊張感があるのかないのか分からない話が続いていくが、後半一気に物語が動く。伏線回収も素晴らしい。伊坂作品特有の面白さを存分に味わえる小説。

 

 

AX アックス (角川文庫)

AX アックス (角川文庫)

 

 

 

「霧が晴れた時 自選恐怖小説集」

小松左京・著 1993年(本書出版年)、1963年~1976年(収録作品発表年)

・読んだ期間 2020年5月21日~5月23日

角川ホラー文庫

 

 SFの大家、小松左京によるホラー短編集。一口にホラーとは言っても、謎の怪物が出てきたり、SFチックだったり、不思議な能力を持つ人物が現れたり、カニバリズムを取り扱ったりと、その内容は非常にバラエティに富んでいる。どれもあっと驚くラストなのが良い。

 

 個人的に好きなのは特定の地域だけ自分の、さらには物にまでドッペルゲンガーが現れ始める「影が重なる時」、謎の招集令状が届いて次々に若者が消えていく「招集令状」、思い浮かべた物を実体化させる能力を持つ男の話である「消された女」かな。勿論他にも紹介したい話があるが長くなるのでこの辺で。何しろ全15編収録と充実した内容なので。個人的にかなりイチオシな本である。

 

 

 

「押入れのちよ」

荻原浩・著 2006年

・読んだ期間 2020年6月17日~6月19日

新潮文庫

 

 またまた荻原浩。この方の小説はわりと好きかもしれない。

 こちらの本はホラー風だけどどこか滑稽な小説が9本収録されている短編集。部屋に住み着いていた幽霊の少女と暮らすことになった男を描く表題作「押入れのちよ」は短編とは言わず長編でも読みたいくらいの面白さだった。ホラーではなく普通に楽しい小説。ちよの過去はなかなか切ないが。

 

 また、猫に支配されていく家族を描いた「老猫」のように、結構怖い話もあった。「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」は、状況がシリアスながらもどこか抜けていて滑稽である。この本も様々なタイプの短編が収録されているのでオススメである。

 

押入れのちよ(新潮文庫)

押入れのちよ(新潮文庫)

 

 

 

 今回は以上!残念ながら今回紹介出来なかった作品も個性的なものばかりなので、余力があれば今後紹介するかもしれない。果たして、下半期に読んだ本も合わせて、年末のトップ10に残る本は一体どの本になるのだろうか?お楽しみに。

ロックマン㉟-3 ロックマン6 史上最大の戦い!!

元記事はこちら

 

shikakuyama.hatenablog.com

 

ロックマン6 史上最大の戦い!!

・発売日:1993年11月5日

・発売元:カプコン

CERO:A(全年齢対象)

・自分のプレイ時期:2019年2月下旬~3月上旬

・難易度評価:2.5

 

 ファミコン末期の1993年にひっそりと(?)発売されたシリーズ第6作。この時既にゲーム機の主力はスーパーファミコンであった。そのスーファミでは新たに「ロックマンX」シリーズが展開していくことになる。こちらはまだ未プレイだが、近いうちに挑戦するつもりだ(追記、2020年6月~7月にロックマンX~X4に挑戦しました。それについてはまたいつか書きます)。

 

 個人的にはファミコンロックマンで一番簡単なゲームだと思う。なんと2時間半で8ボスステージをクリア(それまでだと2時間半かけてようやく3体のボスを倒したくらい)。そして5時間半でラスボスを倒し完全クリアと、他と比べて圧倒的なスピードクリアである。印象に残った難所もなく、苦戦したボスもいない。最後までそんな感じ。それまでのファミコンロックマンをクリアしてきた人なら拍子抜けする難易度である。記憶に残った場面が無いのでこれ以上書くことがない。「史上最大の戦い!!」と謳ってはいるが、自分にとっては全然そんなこと無かったり・・・。

 

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相変わらず即死地帯は多いですけどね

 まあ、良く言えばあまりイライラしない丁度良い難易度である。ロックマンビギナーの方には自信を持ってオススメできる作品だ。

 

ロックマンシリーズを基準にしたこのゲームの難易度

・8ボスステージ・・・やや易

・ワイリーステージ・・・やや易

・ワイリーマシン・・・やや易

 

〈リンク〉

・ゲームカタログ@Wiki~名作からクソゲーまで~

https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3495.html

・画像引用元

https://www.youtube.com/watch?v=_4-LyT9hC0I&list=RDCMUCHLDpffbvbERt0Z2cC8ddYg&index=2

 

 

ロックマン㉟-2 ロックマン5 ブルースの罠!?

元記事はこちら

 

shikakuyama.hatenablog.com

 

 

ロックマン5 ブルースの罠!?

・発売日:1992年12月4日

・発売元:カプコン

CERO:A(全年齢対象)

・自分のプレイ時期:2015年3月~???

・難易度評価:3

 

 この作品だけバーチャルコンソールで単体で買ったため、他とプレイ時期が大きく違う。このプレイ時期からも分かるように、初めてプレイしたファミコンロックマンである。なぜいきなり5からというと、ネットに「やさしいロックマン」と書いてあり、それなら簡単なほうからやっていくか、となったからである。

 

 しかし、ステージのギミックは他のシリーズに負けず劣らずである。さすがに1、2と比べると楽だが、3、4とは同じくらいの難しさ。特にクリスタルマンステージの落下クリスタル地帯は、わずかな時間を見切って飛び移らないといけないので緊張する(失敗してクリスタルに当たると穴に落ちて即死)。ウェーブマンステージのマリンバイクも前作までには無い独特な難しさがある。強制横スクロールのステージであり、適切に攻撃orジャンプをしないとダメージを受けまくる。即死トゲ地帯や落下する床地帯、点滅ブロックなども普段通り健在。ワイリーステージでは適切にブロックを撃ち壊して挟まれないように上に進んでいくというパズルっぽい場面もある。難しいというより癖の強いギミックが多め。

 

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落下クリスタル地帯

 ただし、各ステージ最後に出てくる8ボスは明らかに弱体化した。ほとんどが特殊武器を使わず、ロックバスターのみで難なく倒せる強さである。正直特殊武器の意義は・・・ってなる。ほかの作品のボスよりも攻撃がよけやすいものが多いのだ。そういう面では確かに簡単ではある。

 

 クリアまでの時間は約8時間。無事クリア出来たが、これで簡単な方なのか・・・ってなったのも事実。恐るべしロックマン、と思いながらその3年後、ファミコンロックマンの他の作品に挑むのである。

 ちなみに、今作特有のお助けサポートメカ、ビートは最後まで使わなかった。

 

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ロックマン5を代表するギミック、マリンバイク

 ゲームセンターCXでは現在「ロックマン4」まで有野が挑戦済みだが、この「ロックマン5」以降はまだ挑戦していない。これをする前に「ロックマンX」シリーズの挑戦に入ってしまった。いつかやってくれることを心から願っている。

 

ロックマンシリーズを基準としたこのゲームの難易度

8ボスステージ・・・標準

ワイリーステージ・・・標準

ワイリーマシン・・・やや易

 

 〈リンク〉

・ゲームカタログ@Wiki~名作からクソゲーまで~

https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3494.html

・画像引用元

https://www.youtube.com/watch?v=NJOpu09w1rc

 

 

ゲームレビュー㉟-1 ロックマン4 新たなる野望!!

元記事はこちら

 

shikakuyama.hatenablog.com

 

 

ロックマン4 新たなる野望!!

・発売日:1991年12月6日

・発売元:カプコン

CERO:A(全年齢対象)

・自分のプレイ時期:2018年12月中旬~(中断期間)~2019年2月下旬

・難易度評価:3.5

(1、簡単 2、普通 3、やや難しい 4、難しい 5、非常に難しい)

 

 この作品からロックバスターに溜め撃ちが追加され、耐久力の低いザコ敵を一掃出来るようになった。しかし、それに伴ってボスがやや硬くなった。

 

 ファミコンロックマンの中ではどちらかというと低い方の難易度と言われているが、8ボスの進め方が悪かったのか、自分はそうは感じなかった。むしろ3よりも難しく感じた。

 

 当時の自分のツイートを振り返ると、最初にリングマンステージを選び、大苦戦している。最初は左上にあるステージを選びたくなってしまうのです・・・。乗ると縮んで消えていく足場とそこに加えられる敵の攻撃、地味に多い中ボスと、なかなか嫌なギミックが続く。やっとの思いでたどり着いたリングマンの強いこと・・・。最初からこれだと嫌になる。調べたら、どうやらリングマンステージはロックマン4では難しい方のステージらしい。というわけで後回し。

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乗ると縮む足場

 

 次に選んだのはダイブマンステージ。僕はこのダイブマンが苦手で、最期のボスラッシュでもコイツのせいで苦戦を強いられた。45分かけてなんとかクリア。

 

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宿敵ダイブマン

 次に選んだファラオマンステージ、その次のブライトマンステージでも苦戦。ファラオマンステージは不意に出てくるミイラがいたり、ブライトマンステージは即死トゲの上をバッタのようなロボットに乗って渡ったり、落ちれば即死の連続ジャンプ地帯があったりするため厄介。何よりもボスが強いのだ。この時点ですでに満身創痍。

 

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バッタ型ロボット

 しかし、残りのステージはサクサク進み、後回しにしていたリングマンも弱点武器で無事攻略。どうやら難しいステージから順に進めていたみたいなのだ。そりゃ苦戦するの当然。次にでてきたDr.コサックステージ、お馴染みDr.ワイリーステージもあまり苦戦することなく突破。やはりロックマン4は簡単なのか?

 

 と思ったら、最後のボスラッシュは前述のダイブマンなどのせいで最も難しく感じた。ラスボスの強さは普通。というわけで無事クリア。クリアまでの時間は約11時間。

 ちなみに、2018年12月下旬から、最後のステージだけを残して2ヶ月にもわたる長い中断期間を挟んだ。これはゲームに対する意欲を失ったわけではなく、完全に別のゲームをやっていた。

 

ロックマンシリーズを基準にしたこのゲームの難易度

8ボスステージ・・・標準

Dr.コサックステージ・・・やや易

Dr.ワイリーステージ・・・標準

ワイリーマシン、ラスボス・・・標準

 

 

〈リンク〉

・ゲームカタログ@Wiki~名作からクソゲーまで~

https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3493.html

 ・画像引用元

https://www.youtube.com/watch?v=7VcZKdCU9I0