風城峠の回顧録

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ゲームレビュー㊺ 地獄少女 朱蘰

地獄少女 朱蘰

 

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発売日:2007年9月27日

発売元:コンパイルハート

CERO:B(12歳以上対象)

自分のプレイ時期:2019年11月下旬~12月上旬

難易度評価:3

(1、簡単   2、普通   3、やや難しい   4、難しい   5、非常に難しい)

 

 突然だが話は2009年の夏に遡る。当時僕は小4。その頃、アニマックスで平日の夜8時頃にアニメを観るのが日課になっており、メインに観ていたのは母親に影響されて観た「銀河鉄道999」だった。これは夜8時から放送されていた(調べたので間違いない)。さて、夜の8時半からは「ドラゴンボールGT」が放送されており、これも観ていたのだが、この終了後にあるアニメが放送される。それが「地獄少女 三鼎」である。

 

 昔は人一倍怖がりだったというのもあり、それまではホラーな感じの作品は意図的に避けていた。アニメも然り。ただ、銀河鉄道999終了後に何となくチャンネルを変えずそのままにしていたら始まってしまったので、最初の頃は取りあえず恐る恐る観る、というような感じだった。まるで禁忌の扉を開くような気分。

 

 それは当時の自分にとって衝撃の内容だった。依頼主が藁人形の糸を解いたら怨みの相手は問答無用で地獄に流される。その頃は毎回観ていたという訳ではなかったが(多分3分の1も観たかどうかってところ)、それでも僕に強烈な印象を与えた。特に山童に冬虫夏草を植え付ける話(第十七話、「藁の中」)とか、昔からキノコ好きだったこともあってとにかく衝撃で、その後決して忘れることがなかった。その他にも断片的に記憶に残っていたシーンがいくつかある。OPは後に見直すまでどんな曲か忘れていたが(これ名曲ですよ)、閻魔あい役の能登麻美子さんが歌う美しくも恐怖を煽るようなED曲は、その後ずっとメロディをほぼ完璧に覚えていた。

 虫食い状態で観ていたらいつの間にか最終回になってしまい、その最終回は観たものの「えっ?どういうこと?」ってなってしまったので、このアニメについてはずっと心残りがあった。

 

 そして年月は一気に6年も飛び2015年10月、高1になった僕は、断片的な記憶はあるもののすっきりとしない思いが続いていた「地獄少女」を1期から昔観ていた3期まで、全78話(当時)全部観てやろうという考えに至った。というわけで家族が寝静まった深夜、こっそり家のPCを開いて、確か現在は閉鎖されている著作権的にあまりよろしくない動画サイトで1期の1話から順に観ていった。1期の終盤で予想外の展開になりなかなか面白かったが、深夜に毎日無理して起きて観ていたこともあり、2期の中盤辺りで疲れてきて観るのを一旦やめてしまった(後に分かったことだが、2期が面白くなってくる話の前辺りで観るのをやめてしまったらしい)。

 

 さらに年月は流れ2019年3月下旬、残りわずかになった春休み、あと何をしようかなと考えて思い付いたのは「中途半端な状態で止まってしまっていた地獄少女の残りの話を全部観る」ということだった。2期の中盤で止まっていたが、ここでは昔観ていたので早く観直したかった3期を先に観ることにした。今回はちゃんとTSUTAYAでDVDを借りて観た。

 相変わらず後味の悪い話が続くのでなかなか大変だったけど、ここに来て地獄少女に過去最高にハマってしまった。あまりにも切なすぎる3期の終盤、そしてシリーズ屈指の衝撃展開を迎える2期の終盤…。オマケに2期の最終回を観て、一番好きな声優が能登麻美子さんになった。ネタバレになるから詳しくは言えないけれど、とんでもないことが起こった2期の最終回だけ閻魔あいの声の雰囲気を変えてくるんだよ…。それが良い意味で精神をエグってくるというか…。

(ちなみに、それまで声優について詳しく知らなかったせいで能登麻美子=閻魔あいというイメージしかなかったので、2019年4月に観た「もやしもん」の武藤葵で「えっ?声優閻魔あいと同じ人?」ってなった(正確に言えば、能登さんを好きになったのはこれが決定打)。というわけでちょっとググってみたら「ケロロ軍曹」のあの人もかよ。びっくり。

もやしもん地獄少女と同じく、小4の時にアニマックスで中途半端に観てしまったせいで9年半近くずっと心残りがあったアニメである)

 

 そんなわけでこれで1~3期、計78話を全て観たことになり、それから約2ヶ月経った2019年5月中旬、2017年に8年振りに新作アニメとして放送された4期を観て(1~3期は各26話だったが、こちらは6話しかない)、現時点でのアニメ全84話を完全制覇したことになった。

 ちなみに去年「地獄少女」は実写映画化もされたけれど、僕は好きなマンガ、アニメ作品の実写化は別物と考えて観ない主義の人間なので、今のところ観る予定はない。今までも、どんなに好きな作品でも、実写は観たためしがない(例、こち亀)。

 

 

 やたら長くなってしまった前置きは以上!ここから本題のゲームの話に入る。

 

 ネットサーフィンをしていて、地獄少女はDS (& PS2)でゲーム化されているのか、どんな話が描かれているのか気になるな、となったが、何しろマニアックなゲームなのでAmazonではプレミア化しているし(前回の「悪魔城ドラキュラ」シリーズ程ではないが)、BOOK・OFFでもなかなか見つからない。あったら良いなという気分である日地元のHARD・OFFに寄ったら、なんと売ってるのを見付けた!ただの田舎にある店なのに何でこんなに掘り出し物が見つかるんだよ(笑)。中古ゲームの品揃えに関しては、なぜか上越市松本市よりも良い。多分上越市は冬になると雪で何も出来なくなるので、その分ゲーマーが増えるんだな。という訳で、説明書が欠けていたのが残念だったが、1000円で購入。

 ちなみに、アニメ1期は2005年10月~2006年3月、2期は2006年10月~2007年3月、3期は2008年10月~2009年3月に放送されていたので、このゲームが発売された2007年9月27日は2期と3期の間の時期となる。(この頃、「地獄少女」がちょうど放送されてない時期に放送されていたのが「ひぐらしのなく頃に」。恐ろしい時代だな笑)

 

 購入後、New 2DSLLにゲームカードを挿し込んだが反応しない。抜き挿しを何度繰り返しても反応しない。おーい、俺の1000円…と不安になったが、抜き挿しを20回以上繰り返してようやく安定して反応するようになった。中古ゲームはこういうのがあるので注意が必要。

 

 購入したのは2019年9月中旬だったけれど、この頃は前回までに紹介した「ひぐらしのなく頃に 絆」と「悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架」を絶賛プレイ中だったので、ひぐらしが全部終わるのを待ってから始めることとなった。そうしたら11月下旬になってしまった。

 

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 基本的には文章を読み進めながら選択肢を選んだり、適切に場所を移動しながらストーリーを進めていくシンプルなアドベンチャーゲームである。1日のうち、平日は学校内のみの時と町全体、休日は町全体で各数回どこに行くか選択をすることになる。そのタイミングではストーリーの進行には関係ない場所を選んでしまうと、ただの無駄足となってしまう。特定の日付までにトゥルーエンドを目指すという内容。

 

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 序盤の選択肢の選び方によって、途中で大きく2つのルートに分かれることになる。地獄少女らしく、どちらもどんどん不穏な展開になっていく。バッドエンドで後味が悪いのは当然だが、正直トゥルーエンドでもそこまでの過程により後味が良いとは決して言えない結末となっている。そこのところは原作の雰囲気をよく表していて良い。

 

 しかしゲーム全体の印象では、あまり出来が良いゲームとは言えない(Amazonのレビューを見てあまり大きな期待はしていなかったが)。

 

 まず、ボリュームが少ない。2つのルートがあるが、それぞれ2~3時間ほどあれば全て終わってしまう。達成率を100%にするのにも11時間くらいしかかからなかった。なかなか終わらないひぐらしをやった後だったので「え?もう終わり?」って感じだった。僕は中古で1000円で買ったので、現在の感覚ではまあ1000円だったら妥当な内容かなと思うけれど、本当の値段は約5000円するので、それだとどうも割高なように思う。

 

 あと、ボイスがやたら少ない。あって無いようなものである。閻魔あいのセリフくらいは全部ボイス付きにしても良かったのでは?DSの容量的にはもっといけるでしょ?製作費が少なかったのかなぁ…。音質もイマイチだし…。

 

 そしてトゥルーエンドを自力で出すのは結構大変。僕は面倒になったので攻略サイト、というかこのゲームはマニアック過ぎて攻略サイトが存在しないので何とか見つけた個人のブログに頼りました。ひぐらし絆みたいにシナリオツリーがあればもっと分かりやすくなったと思うのだけれど。

 

 突っ込みどころはあるけれど、ひぐらし絆が全部終わるのに120時間かかってなかなか大変だったので、久々に軽い気持ちでゲームが出来て良かったかな。

 

 というわけで今回は以上!

 ちなみに、第40回「BIOHAZARD REVELATIONS」から続いた不穏なゲームゾーンは今回で終わりです!次回は久々に人が死なない(というか人が登場しない?)平和なゲームとなります。その次は、まあ一応全年齢対象だけど、うーん・・・・。

 

 

〈リンク〉

任天堂のサイトより

https://www.nintendo.co.jp/ds/software/yjsj/

 

〈次回予告〉

手抜き感は半端ないけど、楽しめないこともない。