ゲームレビュー66 悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲(Android版)
・発売日:1997年3月20日(PS版)
2020年3月4日(Android版)
・発売元:KONAMI
・CERO:B(12歳以上対象)
・自分のプレイ時期:2020年11月上旬~2021年2月上旬
・難易度評価:2
(1、簡単 2、普通 3、やや難しい 4、難しい 5、非常に難しい)
(目次)
はじめに
悪魔城ドラキュラシリーズの中でも特に人気の高い作品の1つであり、またこのゲームから探索型ドラキュラが本格的に始まった。しかし、自分の持っているハードではこのゲームをプレイすることが出来なかった。
そんなある時、このゲームがスマホでも発売されたというニュースを目撃した。これは買うしかない…!とは思わず、一旦保留をしておいた。何故なら、スマホでアクションゲームをやるのはかなり酷だということを、以前購入した「メタルスラッグ」で学んだからである。このゲームをスマホのタッチパネルのみで行うと非常に操作性が悪く、敵の攻撃に当たりまくったり、何の変哲もない穴を飛び越えるだけでも何度もミスをしたりと、まともにプレイできる環境とはとても言えなかった。だから僕はメタルスラッグの再来、つまり操作性の悪さのせいで放置状態となることを恐れたのである。実際、Google Playストアのレビュー欄には、操作性が悪いだの色々と書いてあった。以前プレイした探索型ドラキュラ「蒼月の十字架」がアクション面でもそれなりに難易度が高かったこともあって、僕は操作性のせいで途中で進めなくなることを危惧したのだ。
それから7ヶ月ほど経過した2020年秋、僕は有料の音楽アプリをGoogle Playストアで購入したのだが、それだけだと残高が余ってしまう。だからせっかくなので、このゲームも買ってしまおう、と決めた。そして11月初め、前回紹介した「NOeSIS」と並行してこれを進めようと予定を立てた。9~10月と散々悪魔城ドラキュラシリーズに苦しんだのだが、結局またすぐにドラキュラシリーズのゲームを始めることになってしまった(笑)。
「NOeSIS」プレイ開始の数日後に本作をプレイし始め、この2本をほぼ同時に終わらせることを目標にしたのだが、実際はそこまで手が回らなかった。「NOeSIS」終了時の時点で、本作はまだ4分の1程度しか終わっていなかった。しかもこの後「Burnout Paradise Remastered」に熱中してしまったので(次回紹介)、このゲームの進行は非常にスローペースとなった。そして、「Burnout Paradise Remastered」に一区切りがついた2021年1月下旬、ようやく集中して進め始めた。そして2021年2月4日、ついにクリアを成し遂げたのである。開始から約3ヶ月後のことだった。総プレイ時間は約25時間。
さて、僕は今「クリアを成し遂げた」と書いた。無事スマホだけでクリアをしたのである(ゲームパッド等は全く使わなかった、というか持ってない)。確かに操作性は悪かった。ただし、このゲームは他のドラキュラシリーズと比べると格段に難易度が低いので、余程アクションゲームが苦手ではない限り、スマホのみでも何とかなると思う。強敵が出てきても、レベルを上げて、ポーションをたくさん持っていってごり押しすれば大丈夫。
僕の個人的な話はこれで終わりにして、ここからはこのゲームの内容について簡単に書いていく。
ゲームシステム、評価点と問題点
探索型ドラキュラの名の通り、広大なドラキュラ城の部屋を次々に進んでいって城のマップを埋めていく。途中で立ち塞がるボスを倒せば、その先に能力をアップさせるソウルが置いてある。それを取っていくことで、行ける場所を増やしていく。適宜武器や防具を拾う、または買って自身を強化していくのも、普通のRPGと同じである。
城の中には、セーブポイントやワープポイントが置かれている部屋がある。新しいエリアに入った時、出来るだけ早くこれを見つければ、攻略が楽になるだろう。ちなみにAndroid版では、ゲームオーバーになっても、最後にセーブをしたセーブポイントからではなく、死んだ地点に近い部屋からリトライができる。操作性が悪いせいで敵の攻撃を受けやすいAndroid版ではありがたい話だ。
このゲームで注目すべき点は、まず緻密に書き込まれたグラフィックであろう。ドラキュラシリーズはこれより前の作品でも書き込みが凄かったが、ハードがプレステになったことでさらにグレードアップした。良い意味で気持ち悪くなっている。現代のフル3Dのゲームにはない味わいがある。
そしてBGMも名曲揃い。特に僕は、逆さ城の一部のエリアで流れる「失われた彩画」が大好き。あの幻想的かつ切なげなメロディーがたまらない。「蒼月の十字架」の「ドラキュラの涙」に続いて、探索型ドラキュラはまたもや僕の好みに突き刺さる曲を披露してくれた。この曲を知れただけでもこのゲームをプレイして良かったなと思う。
後世のゲームにも影響を与えたゲームシステム、そして良質なグラフィックとBGMと、良いことずくめであるような気もするが、欠点もある。というかAndroid版ではやはり性能的に劣化移植になってしまった感が否めない。
まず、これは原作とAndroid版共通だと思うが、物を買ったり敵の情報を見たりBGMを聴いたり出来る場所がマップ上に1ヶ所しかない。そこまでワープできるアイテムはあるが、帰りは歩いて帰ることになる。特に後半の逆さ城はショップが無いため、いちいち普通の城に移動してそこから戻ってこないといけない。敵の情報が見られる怪物図鑑、 ゲーム中のBGMを聴ける音楽鑑賞は、そこまで行かなくとも、いつでも出来るようにすれば良かったのに…。
またこれはAndroid版特有のバグだが、地下通路にいるフローズンジェイドという敵に当たったり、倒したりすると、高確率で突然アプリが落ちる。やり直すとひとつ前のセーブポイントまで戻されるのだが、これが事故現場から結構離れているので非常に面倒臭い。フローズンジェイドは通路を塞ぐようにして存在しているので、これを避けて進むのは至難の技。こういう分かりやすくかつゲーム進行に支障をきたすバグはさっさと何とかして欲しいものだ。
あと、これもAndroid版の話だが、会話中の文字の出てくるスピードが、音声に対して非常に遅い。そして会話中に画面をタップすると、その場所での一連の会話が全て飛ばされるので注意。
そしてスマホに充電器を繋ぎながらプレイすると、敵や自分の移動速度が異常に速くなり、難易度が爆上がりする。ただし長距離移動の際に、基本のまったりとした動きがまどろっこしくなったら、これを利用して時間短縮をはかることができる。
こんな感じで、操作性の他にもAndroid版は色々と難がある。やはりプレステでプレイするのが一番楽しめるのだろうが、何だかんだスマホのみでもクリア可能な難易度なので、頑張ってみてほしい。
簡単なゲームの流れ
前述の通り、能力を拡張していきながら探索を進めていく。ただし、普通の城だけで終わりではない。最初の城はあくまでも前半戦であり、条件を満たすと後半戦の「逆さ城」が始まる。その名の通り、前半の城が逆さになったような構造をしているステージだ。ここもしっかり探索していかないといけない。
しかし逆さ城に入るにはある条件がある。この条件はやや分かりにくいので、分からなかったら攻略サイトを参考にしても良いと思う。
なお、悪魔城最上部にはリヒターがいる。別に倒してもいいが、倒してもバッドエンディングが流れるだけである。そこそこ強いので、力試しにはなる。僕は倒すのに20分かかった。
逆さ城も多彩な敵がプレイする者を楽しませてくれる。シリーズで難敵として有名な死神も登場するが、本作の死神は弱い。「悪魔城伝説」に登場するサイファやグラントのような敵も登場する。
そして今作で一番の難敵がガラモスである。こいつがやたらめっぽう強い。何度挑んでも全然倒せず、これは2時間くらいかかった蒼月の十字架のラスボス戦みたいなことになりかねないな、と思って、城の中心付近にいるファイナル・ガードを倒し続けて(最も経験値が得られるザコ敵だが、かなり攻撃力があるので、動きを見切りながら倒す必要がある。慣れれば大したことない)、レベルを47から60まで上げた。体力は598から998まで上昇。流石にここまで上げてしまえば、普通に倒すことが出来た。
なお、ガラモスはエンディングを見るだけなら別に倒す必要のない敵である。何しろラスボスより強いのだから。肝心のラスボスは、左端でしゃがんだまま剣振ってるだけで勝てるというね。何やねん。張り合いがなかったな笑。
というわけで、今回の内容は以上。システムについてはかなり省略しているので、詳しくはリンク先を参照して欲しい。
〈リンク〉
・メーカー公式サイト
https://www.konami.com/games/castlevania/jp/ja/page/history_2020_son
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3835.html
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