風城峠の回顧録

ゲームや本、地学のことなど

財布&鍵を落とした、という話

 先日、財布と、そこに入っていた鍵、その他身分証明書等を落としました。さらに運の悪いことに、この時スマホはアパートの部屋の中、つまり自力では連絡する事が出来ないようになってしまいました。これは、財布を落としてから、見つかるまでの悪夢のような3時間を綴った記事です。

 

 

18時25分

 

 18時頃にバイトから帰ってきて一休みをし、そろそろ夕飯を買いに行こうかな、ついでだから空のペットボトル何本かを捨ててきてしまおう、と思って、外に出ました。この時、近所の自販機に行って、近所のスーパーに行くだけだから別にいらないだろう、と思って、スマホは部屋に置いていきました。それでも、律儀に部屋の鍵は閉め、いつもそうしているように、鍵を財布の中に入れました。

 

 辺りは既に暗くなってきていました。アパートから100mくらいの自販機に行き、横にあるゴミ箱にペットボトルを入れようとしましたが、既にゴミ箱はペットボトルで一杯でした。(多分この時に財布を落としたんだと思います)

 仕方ないので、さらに数百メートル離れた自販機に行き、そこの横のゴミ箱にペットボトルを捨てました。その後、夕飯を買うために、近所のスーパーに向かいました。

 

 

18時45分

 

 スーパーで商品をカゴに入れてレジに行き、代金を支払おうとカバンから財布を取り出そうとしたとき……

 

 あれっ、財布がない!

 

 カバンのどこにも入っていない!!

 

「すいません、財布がちょっと見当たらなくて…。1回探しに行っていいですか?」

「わかりました。では商品をお預かりしておきますね」

 

 大慌てで僕はスーパーから駆け出しました。嘘だろ!財布が入ってないなんて…。そんな、そんな…。

 

 目指すは先程ペットボトルを捨てに行った自販機。かつてないほどの動揺に自転車の運転は荒れ、1回バランスを崩しかけて瞬間的に肩を痛めました。でもそんなことを気にしている場合ではないのです。

 

 ちなみに、僕は今まで財布を道端で落としたことはありませんでした。大学内の部屋に一度置き忘れたことはありますが、あの時は気付いてからその部屋に戻ったところ、財布はちゃんとそこにありました。それ故にショックも大きかったのです。

 

 財布の中には推定4000円ちょっとの現金と、鍵、運転免許証、保険証、キャッシュカード2枚、各種ポイントカードや診察券…などなど、大事なものが多く入っていました。以前から、これを落としてしまったら冗談じゃ済まないよなぁ、と思っていたのですが、本当に冗談じゃない日が来てしまったのです。

 

 スーパーから2分ほどで最初に訪れた自販機へ。周りを見ましたが、財布の姿はありませんでした。二番目に訪れた自販機でも同様。アパートの、自分の部屋のドアの前も何もなし。そして鍵もないのでドアを開けることもできない。

 

 

18時55分

 

 落胆してスーパーに戻り、店員さんに財布がなかったことを伝えました。さらに鍵も落としたので家の中にも入れない。そして家の中にあるスマホも使えない。

 

 取りあえずまずやるべきことは、鍵を開けてもらってスマホを回収することです。そのためには大家さんと連絡をつけなければなりません。

 大家さんの家の電話番号…、分からない。大家さんの家の場所…は何となく分かりますが、確証を得るためにスーパーの方に住宅地図を見せてもらい、その後で大家さんの家に向かいました。

 

 大家さんの家もすぐ近く。しかし、家には明かりがついていない。嫌な予感。インターホンを押してみる。案の定、反応なし。

 

 そんなあああああ……!!!

 

 

19時05分

 

 これにより、この時はスマホを回収する手段すら失いました。仕方ないのでスーパーに戻り、店員さんにそのことを伝えました。あと頼みの綱は不動産屋。しかし、時刻は既に夜7時を回ったところ。普通に考えてもう営業している時間ではありません。店員さんに電話をかけてもらいましたが、案の定、「現在は営業時間外です」的なメッセージが流れるばかり。

 

 こうなったら、取りあえず遠く離れた親に連絡をしよう、と思い、スーパーの電話を借りて実家に電話をかけました。この時間帯なら実家には誰かいるはずですが、僕の家族は見知らぬ電話番号にはあまり出ない主義。見たこともない県外の番号の電話なんて、怪しむのが当たり前です。やはり、留守電を伝えるメッセージが流れました。

 

 1回目は頭が混乱していてまともにメッセージを残せませんでしたが、2回目は、

 

「○○です…。非常事態なんです…。どうか電話に出て下さい…」

 

となんとか伝えました。その甲斐あって、少ししてから実家の方から電話がかかってきました。それで母親に財布と鍵を落としたこと、スマホは部屋の中にあること、を伝えました。

 

 取りあえず母親に状況を伝えることはでき、さらに大家さんの電話番号も教えてもらいました。そしてスーパーの方にご迷惑をおかけしたこと、また感謝の意を述べ、自転車で10分ほどの交番に向かいました。

 

 

19時35分

 

 交番にたどり着いたものの、なんと間の悪いことにお巡りさんはパトロール中で中に入れない!しかし、交番には、入り口のところに受話器を取るとそのまま警察署につながる電話があります。これを利用して警察官の方に現在の状況、そして財布の特徴などを伝えました。

 

 何分か話をしているとお巡りさんが戻ってきたので、ここからは交番の中で話の続きをすることに。遺失物届けを作ってもらい、さらに大家さんに改めて電話をかけてもらいました。すると、ここでようやく大家さんと連絡がつきました!交番での話が終わったらアパートに向かうことを伝えました。これで部屋の中には入れます。取りあえず一安心です。

 

 

20時25分

 

 交番での話が終わったので、アパートに向かい大家さんと合流。部屋の鍵を開けてもらい、ようやくスマホと合鍵、通帳などを回収できました!その後、大家さんから懐中電灯を借りて、改めて財布を探しに行きましたが、もう2~3度探しに行ったところなので見つかるはずもなく…。

 

 

21時00分

 

 財布をなくした際にすることは、まずキャッシュカードの使用を止めることです。2枚のうち片方は親名義ですが、もう片方は自分名義なので、その銀行の電話サービスに電話をかけて、キャッシュカードの使用を止めてもらうことにしました。こういうのは、対応が混み合っているので話が出来るようになるまで少し時間がかかります(自分の場合15分程度は待ちました)。

 

 待ち時間の間、インターネットで「財布を落としたときにどうするか」「どのくらいの確率で戻ってくるのか」みたいなサイトばかり眺めていました。

 

 

21時25分

 

 銀行との手続きが終了した後すぐに、大家さんから電話がかかってきました。なんと、無事に財布が交番に届けられたそうです!(大家さんの方に連絡が行ったのは、きっと自分が銀行との手続きのためにずっと話し中だったからでしょう)

 

 僕は先程行った交番に電話をかけ、改めて財布が届いたことを確認しました。そしてすぐに、交番に向かいました。

 

 

21時40分  

 

 紛失してから約3時間ちょっと、ついに財布が自分の元に戻ってきました!幸いなことに、中身は何も異常がありませんでした。

 届けてくださった方は、お礼はいらないと言い、自分の名も名乗らなかったそうです。悪い人に拾われなくて本当に良かった…。

 

 帰りに、無事に帰ってきた財布の中のお金を利用して途中のコンビニで夕飯を買い、22時半頃にようやく夕飯を食べました。それでも、まだ気持ちが収まらなかったので、あまり美味しく感じませんでした。パニックのせいで、18時頃に感じていた空腹感はどこかに消えていってしまいました。

 

 何はともあれ、無事解決です!!

 

 

最後に

 

 僕は実際に財布をなくすまで、財布をなくした人に対して「財布なんかどうやったら無くすの!?」なんて思っていました。でも、無くすときは無くします。ネットで色々と読んでいたら、30歳までに92%の人が財布を無くしたことがある、という内容の記事を見つけました。僕は21歳なので、無事にその92%の人の中に入ってしまいました。財布をなくすことは、決して他人事ではありません。

 

 そして、現代、特に一人暮らしをしていると、スマホが使えなくなるのは非常に痛いですね。緊急時に自由に連絡が取れないのがここまで苦しいとは…。スマホ中毒とか何とか言われますが、現代社会ではスマホは肌身離さず持っていた方がいいですね。

 

 最後に、電話を貸してくださったスーパーの店員さん2名、アパートの大家さん、交番の警察官の方々、そして両親、本当にご迷惑をおかけしました。並びにありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます(もちろん直接お礼も言いましたよ)。