【~2020年度版】日本の10万人以上の都市 降雪量ランキング
※注意!
2021年の5月に気象庁の平年値のデータが更新されました。そのため、ここで登場している数値は現在の物と異なっています。それに応じて、順位も結構変動しています(登場している市自体はあまり変わりないかもしれませんが)。
新しいデータに基づいたものも作成するかもしれませんが、それまでは、この記事の内容はあくまでも旧データであるということを、頭に入れておいてください。
目次
はじめに
アメリカの「AccuWeather」というメディアが、世界の人口10万人以上の都市の年間降雪量を用いてランキングを作成したところ、なんと日本の都市がトップ10以内に4つもランクインし、さらに上位3位までを独占したそうです。これは驚くべきことですね!
では、その内訳はというと、「7位 秋田市、3位 富山市、2位 札幌市、1位 青森市」とのこと。
…………えっ……………………?
平均的に見れば冬には1m雪が積もり、かつては市街地で3m以上雪が積もったことのある、人口約19万人の我が地元、新潟県上越市が入ってない……だと……?新潟県長岡市(人口約26万人)も富山市よりは確実に雪が積もるのに、入ってない………?
なんだこのガバガバなランキングは!これじゃあ青森の一人勝ちじゃないか!しかも、この適当なランキングが、あらゆるサイトやテレビ番組で引用されている!青森が世界一雪の多い都市だなんてぬかしている!これは新潟県出身者として納得がいかない………!!!
というわけで、真実は一体どうなのか、自分の目でつきとめることにしました。そして、この適当なランキングに代わって、僕が「日本の10万人以上の都市 降雪量ランキング 訂正版」を作成しました。ろくに調べもしないメディアの情報に騙されてはいけません!これから示すものが、真実に限りなく近いランキングだと思います。
※注意
「本当に正しい」と書きましたが、これは「気象庁の観測データが見つかった都市の中では正しい」という意味です。何が言いたいのかというと、本当ならトップ10入りする可能性が大いにある北海道江別市の観測データが、気象庁のサイトには示されていませんでした。そのため、本当に申し訳ないのですが、江別市抜きのランキングになっています。このことを最初に申し上げておきます。
日本の10万人以上の都市 降雪量ランキング
さて、いよいよランキングの発表の時間です。それではまず11位から。えっ、なぜキリの良い10位からではなく11位……?
それはですね、「AccuWeather」のランキングで3位になっていた富山市が11位だったからです!これだけで「AccuWeather」のランキングが適当だと分かりますね!富山市のデータはこちら!
11位 富山市
・人口:約41.4万人
・平均年間降雪量:383㎝
・平均年間最深積雪:62㎝
今年、35年振りに積雪が1mを超えた富山市。県庁所在地の中ではかなり雪が積もる街ですが、それでも本ランキングでは11位。一体この先どのような強者が待ち構えているのでしょうか?
では、次からトップ10です。
10位 山形市
・人口:約24.8万人
・平均年間降雪量:426㎝
・平均年間最深積雪:50㎝
県庁所在地の中では実は富山市よりも多かった山形市。比較的内陸にあるので納得ですね。ただ、積もる雪の量では富山市の方が多いみたい。
9位 北見市
・人口:約11.5万人
・年間平均降雪量:433㎝
・年間平均最深積雪:82㎝
極寒の地で有名な北海道北見市。降る雪の量もそれなりのものですね。まさに試される大地。
8位 会津若松市
・人口:約11.8万人
・年間平均降雪量:478㎝
・年間平均最深積雪:59㎝
太平洋側の県の都市では唯一ランクインした福島県会津若松市。ただし、太平洋側といってもここは県の西側。新潟県との県境からもそこまで離れていないところです。
7位 長岡市
・人口:約26.4万人
・年間平均降雪量:595㎝
・年間平均最深積雪:95㎝(4位)
新潟県第二の都市、長岡市がここでランクイン。降雪量こそ7位ですが、最深積雪ではなんと4位。雪国の名に恥じない街です。
6位 札幌市
・人口:約196.2万人
・年間平均降雪量:597㎝
・年間平均最深積雪:100㎝(3位)
「AccuWeather」のランキングで2位だった札幌市がここでランクイン。本ランキングに登場する都市の中では人口が飛び抜けてますね(笑)。こんな大都市でも人々が大雪とうまく付き合いながら生活しているのです。拍手!!
では、ここからトップ5の発表です。「AccuWeather」のランキングに示されていなかったダークホースが4つもいるのです。一体どんな都市が出てくるのか?そして衝撃の1位は………?
5位 上越市
・人口:約18.8万人
・年間平均降雪量:635㎝
・年間平均最深積雪:122㎝(1位)
我が故郷、新潟県上越市がここでランクイン。残念ながら、降雪量では青森市に負けてしまいましたが、最深積雪は本ランキングに登場する都市の中では1位!雪の高田のプライドは守られた。
今年の冬は35年振りの超大雪となり、市街地の高田でも積雪249㎝を観測。いくら雪に慣れた都市でも、これだけ積もれば街は大混乱に陥ります。コロナがなければもっと報道されてもいいような深刻な事態でした。
なお、上越市での冬の生活については以前書いたので、ぜひご一読を。
4位 青森市
・人口:約27.3万人
・年間平均降雪量:669㎝
・年間平均最深積雪:111㎝(2位)
「世界一雪が積もる都市」といわれた青森市が、何と4位となってしまいました!4位なのに世界一の顔をしているなんて……。うまい汁を吸っているなと思います。それでも、豪雪地帯であることには変わりありません。冬はかなり過酷なものと思われます。
3位 小樽市
・人口:約11.3万人
・年間平均降雪量:676㎝
・年間平均最深積雪:122㎝(1位)
観光地で有名な北海道小樽市が、なんと3位にランクイン!僕も10年ほど前、夏の暑いときに行ったことがあります。
最深積雪も上越市と同率1位!これは驚きました。北海道って、自分が思っているよりも雪の降る土地なんだな……と思わされました。これを知っただけでも、今回調べた甲斐がありました。
北海道が雪が多いのは当たり前じゃん!と思われるかもしれないですが、新潟県に住んでいると、「雪の量なら新潟よりはマシでは?」と思ってしまうのですよ。
2位 旭川市
・人口:約33.2万人
・年間平均降雪量:743㎝
・最深積雪:94㎝(5位)
旭川もこんなに雪が降るんですね………。これを知ったことが、今回この記事を書くキッカケの一つでもあります。青森市よりも人口が多いのに無視される、まさに不遇の都市です。
1位 弘前市
・人口:約16.9万人
・年間平均降雪量:748㎝
・最深積雪:83㎝
というわけで、世界で一番雪が降る人口10万人以上の都市は、青森県弘前市に決定致しました!おめでとうございます!!人口では県庁所在地の青森市に勝てなくても、雪の量では勝てるのです!もっと誇っていいかと思います。
日本で一番雪の多い都道府県はどこか?
最後に見出しのようなテーマで少しだけ。日本で一番雪の多い都道府県はどこかという話になると、「AccuWeather」のランキングの存在、また観測点「酸ヶ湯」の存在から、よく青森県だと言われてきました。これに新潟県出身の僕はどうしても納得がいかなかった。「観測点がないだけで、新潟にも酸ヶ湯より雪が積もる場所はいくらでもある!そもそも酸ヶ湯の観測点なんか標高の高い山の中にあるのだからチートだろ!」と。
しかし、今回調べて気付いたのは、年間降雪量では北海道、青森県>新潟県になるということ。考えてみれば北海道や青森県の方が北にあって気温が低く、つまり雪の降る期間が長いので当たり前の話なのです。
ただし、最深積雪では、同じような降雪量の場所でも新潟県>北海道、青森県となったりします。新潟県のドカ雪は凄いのです。ある意味、新潟県は短期集中型、って感じですね。
このように、雪の降り方の性質が異なるので、どこの都道府県が一番雪が多いか、というのは一概には決められません。ただし、それでも青森県の一人勝ち状態には納得がいかない、ということを付け加えておきます。
今回の内容は以上です。読んで下さった方はありがとうございました。